2月1日から15日。徳林寺では涅槃図の公開をしておりました。
徳林寺の涅槃図はおよそ220年ほど前に寄贈された作品であり、昭和57年に一度表具の修復がされましたが、それ以外は当時のままの姿を残しており、未だに美しい光を放っており、拝観された多くの参拝客の方々も驚嘆されてました。
2月12日には、北摂近隣のアーティストを招いて、「音と灯りと影」「unpurged In 徳林寺」といった音楽と蝋燭を使ったライブパフォーマンスもおこなわれました。
電気の光もなく、音を増幅させるスピーカーもなく、優しく響く音色と温かい蝋燭の炎だけで、220年前に描かれた涅槃図を皆で眺めながら2500年前のお釈迦様入滅の姿に心を静かに豊かな時間を皆様と一緒にすごすことができました。
2500年前にお釈迦様は弟子たちの前で「この世は苦しみに満ちている」「欲望の炎に焼かれている」と仰っられました。
まさに、現在でもTVをつければ、世の中はどうなっていくんだろう?と毎日不安をいだいてしまいますが、晩年のお釈迦様は、弟子のアーンナンダにこうも仰れました。
「アーナンダよこの世の全ては美しい」「この世はなんと甘美なんだろうか」
「この世は苦しみに満ちている」が「この世の全ては美しい」のだと、全く正反対の事をおっしゃられます。
私たちはいつでも美しいものや、優しいに人達まれ、美味しいものを食しているはずなのに、それに気づかずまま、相手と自分を比べて蔑んでみたり、世を恨んでみたりしているのではないでしょうか?
蝋燭のゆらめく炎を見ながら、お釈迦様の言葉の意味を考える夜となりました。